狭心症とは
心臓が悲鳴を上げる!原因、症状、治療法を分かりやすく解説
狭心症は、心臓の筋肉(心筋)に十分な酸素や栄養素が行き渡らなくなる病気です。
まるで心臓が悲鳴を上げているような状態です。
狭心症は、放置すると心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こす可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。
狭心症の症状
狭心症の症状は、主に以下の通りです。
- 胸痛
圧迫感、締め付け感、焼けるような痛みなど。最も代表的な症状です。 - 息切れ
軽い運動や安静時でも息切れを感じる。 - 動悸
心拍数が速くなったり、不規則になったりする。 - めまい
- 吐き気
- 脱力感 これらの症状は、必ずしもすべて現れるわけではありません。また、症状の程度や持続時間も個人差があります。
注意が必要な症状
- 安静時に胸痛を感じる
これは、重症化のサインである可能性があります。 - 長時間の激しい胸痛
心筋梗塞の可能性があります。 - 突然の激しい胸痛
心筋梗塞の可能性があります。
これらの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
狭心症の原因
心臓は、コブシ大くらいの、筋肉の塊のようなものです。
大動脈という太いホースを通じて、カラダの大切な臓器に血を送るポンプとして働きます。
しかし、心臓自身も、筋肉の塊ですから、自ら血をもらわないと生きていけません。
大動脈の付け根から、冠動脈(かんどうみゃく)と呼ばれる太さ2-3mmの血管を出して、一番キレイな血を心臓自身の筋肉に送るようにしています。
冠動脈は、命を守る大切な血管であるにも関わらず、動脈硬化のダメージをうけやすいとても繊細な血管です。
血管の内側にプラークとよばれるゴミがつくと、血が流れるスペースがふさがれて、細くなってしまいます。
冠動脈の血液の流れが悪くなっても、心臓は動き続けなければなりませんから、心臓は、ガス欠の状態で、馬にムチ打つように働くことになります。
その心臓の悲鳴を胸の痛みとして感じるのが、狭心症、心筋梗塞です。
動脈硬化の原因としては、主に以下のものが挙げられます。
- コレステロールや中性脂肪などの脂質異常症
コレステロールや中性脂肪が高い状態は、動脈硬化を促進します。 - 高血圧
高血圧は血管に負担をかけ、動脈硬化を促進します。 - 糖尿病
糖尿病は血管を傷つけ、動脈硬化を促進します。 - 喫煙
喫煙は動脈硬化を促進し、冠動脈疾患のリスクを高めます。 - 肥満
肥満は脂質異常症や高血圧などのリスクを高め、動脈硬化を促進します。 - 運動不足
運動不足は血流を悪くし、動脈硬化を促進します。 - ストレス
ストレスは血圧を上昇させ、血管を収縮させ、動脈硬化を促進します。
これらの生活習慣や持病は、互いに関連し合い、動脈硬化を加速させることがあります。
狭心症が引き起こされる病気
狭心症は、単独の病気というよりも、虚血性心疾患という大きなカテゴリーの中の病気の一つです。虚血性心疾患は、心臓に十分な血液が供給されず、酸素や栄養素が不足することで起こる病気の総称です。
虚血性心疾患には、狭心症の他に、以下の病気があります。
- 心筋梗塞
冠動脈が完全に閉塞し、心筋の一部が壊死します。 - 無症状虚血br>自覚症状がないまま進行し、突然死につながることもあります。 狭心症は、心筋梗塞などの重篤な病気を引き起こす可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。
狭心症の治療法
当院では、専門医による評価を行いますので、胸の症状が気になる方はお早めにご受診ください。
また、血管を広げる治療(心臓カテーテル治療、冠動脈バイパス術)を受けられたことがある方は、その後のお薬の治療が、手術と同じくらい大切です。
術後の管理も積極的に行っておりますので、ご相談ください。
狭心症と心筋梗塞の違いは何ですか?
プラークが少しずつ成長して徐々に冠動脈が細くなるのが狭心症で、血のかたまりが急にできて詰まってしまうのが心筋梗塞です。
狭心症では、「坂道や階段の上り下りの時だけ胸が苦しくなるが、2-3分休むと治る」と言った症状が多く見られます。早めに検査する必要があります。
一方、心筋梗塞では、痛みがずっと持続することが多く、緊急で治療(心臓カテーテル治療・冠動脈バイパス術など)が必要な状態です。コワイことに、糖尿病の方は、胸の自覚症状を全く感じないことがあります。
知らない間に心臓の一部が壊死していた、ということもありますので、心臓エコー検査など精密検査がすすめられます。
心電図が正常でも、冠動脈が細くなり危険な状態、ということもよくあります。